仕事を辞めた。

 少ない給料だったが得たものは大きかった。思いついたことをつらつら書いていくと、まず自分の労働に客観的な値段をつけるのは難しいということに気付かされた。会社の利益の全体像を把握することができない(オーナーに聞くのは憚られる)上に、働いている人間が多数いること、会社が提供している機械を利用していることから、自分の働きがどれくらい会社の利益に寄与しているのか計ることができないのだ。

 結果、契約で決められた給料が多いのか少ないのか判断することができない。判断できないから、給料を上げろということを説得的に説くことができない。労働運動なんてもちろんないから、給料は低いまま変わらない。

 (ちなみに客と一対一でサービスを提供する風俗店〔ソープやヘルス〕は、自分の働きの対価が明確で、こういう問題が起こらないか、問題が小さいと思う。)

 スペインのバスク地方に、モンドラゴン協同組合企業という会社がある。売上1兆円を超える大企業だが、ここは従業員が自分たちで給料を多数決により決める。詳しいことは分からないが、非常に魅力的だと思う。特に従業員の待遇が劣悪で、事業の性質が金儲けに適さないもの(例えば幼稚園や介護等)はこの形態の方がいいんじゃないか。

 日本の現行法だとこのシステムを実現する法人形態がなさそうなので、ぜひ勉強したい。

 (長くなったので続く。)