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 沖田修一『横道世之介』を観た。

 現実と戦う映画ではなく、ただただその世界観に浸っているのが心地よいという類の映画だった。

 あらすじも結構漫画的で、大学新入生で、ぼんやりした性格の横道世之介高良健吾)が、ひょんなことからお金持ちの祥子(吉高由里子)に猛烈アタックを受けて、翻弄されるというもの。

 主人公横道世之介は、男が感情移入しやすいキャラクターをしている。すなわち、イケメンなのに女の子の気持ちには鈍感、ゲイの友人(綾野剛)にも理解を示し、孤独でどうしようもない友達(池松壮亮)にも気前よく金を貸してやる。

 祥子お嬢さまも、口調が「~ですわ」「~だわ」みたいな典型的なお嬢さまのそれで、挨拶はもちろん「ごきげんよう」、告白されると照れてカーテンに包まって出てこない・・・って書いててバカバカしくなってきた。

 そんな感じなので、観ていて非常に心地が良いのだ(ただこれ女の子が観たら面白いんだろうか)。後から気づいたのだが、2時間40分もあったらしい。

 観ていて別に得るものはないのだが、たまにはこういうのもいいかなと思った。

 

[追記] どうでもいいけど各種レビューサイトでこの映画が歴史的名作並みの点数を与えられてるのを見ると、みんな疲れてるんだなぁと思う。

[追記] 一晩寝てふと思った点が2つある。
 ひとつは、大学時代に横道世之介みたいな奴がいたなぁということ。イケメンで、リア充の頂点にいるのに、みんなに分け隔てなく接することができる男が。一つの理想の人間像なのだろう。
 もうひとつは、綾野剛演じるゲイの加藤雄介は原作者吉田修一自身だったんじゃないだろうか。大学時代、やさしく誠実に接してくれた「横道世之介」を描いたのが本作ではないかと思った。これは原作読んでないので妄想だが。